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第4回:へんじんもっこ、社長 渡辺慎一氏
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「へんじんもっこ」といえば、日本で珍しい白カビサラミの製造販売で知られる食肉加工の名店。
このチーズの香りのするとろりと柔らかい「貴腐サラミ」は数あるアイテムの中でも2番目の売り上げを誇る人気商品だ。
ヨーロッパに行ったときに白カビサラミを初めて眼にして、買って、食べた。
これはいったいなんぞ? との思いが、渡辺さんの心に留まったまま、離れない。
以来、寝ても覚めても、白カビのサラミについて思案。
カマンベールチーズの白カビをソーセージに付着させればいいのか、との思いに至る。
以後、実践活動に突入、独自で開発し、オランダでのコンテストで金賞を射止める快挙にも「バカだからこそできた」とご本人はおっしゃる。
ドイツの国家資格セゲレをもつ長男を工場長に据え、従業員8名の小規模ながら、製造されている商品は、全国からの取り寄せで人気の「たまとろサラミ」やパテ、ペースト、ソーセージ、ハム、ベーコンなど20種以上に及ぶ。
そして、社名の "変人で頑固者" といった意味の「へんじんもっこ」は、この渡辺慎一社長の生きざまそのものだった…。

佐渡、新穂の店舗兼工場前で。
左から、渡辺慎一さん(社長)、省吾さん(長男・工場長)、朝美さん(専務)
今年4月11日から2週間ほどかけてフランスを回ってきました。かみさんと2人で、肉の加工品と農業王国フランスの農家というものを見たいと思いましてね。前半は、ガイド付きでしたが、後半は夫婦二人でレンタカーを借りて走り回りました。フランス語? まったくわかりませんよ(笑)。

フランスの「牛の心臓のトマト」
(直訳)
フランス到着の翌日、デジョンという歴史のある古い町に行きましたらマルシェをやっていたんです。マルシェというのは市場という意味ですけど、建物の中で朝早くから開かれていて、その外側にも露店のマルシェの店がたくさん並んでいる。見たら、生ハムやらソーセージ、それに白カビサラミなんてグチャグチャある。びっくりするほどある。
じつはね、わたしは自分のやっているソーセージづくりは、ドイツが本場で、ドイツが先生なんだとずっと思っていたんです。それで最初にドイツへ行った時、たしか空港で買った太物の白カビ付きのサラミを食べてみて、「まるでチーズのような味とアロマのサラミじゃないか! これを一生涯かけてもつくってみたい!」と思ったんですよ。それまで日本のサラミといえば、かたいサラミしかありませんでしたからね。それでいろいろ考えているうちに、カマンベールチーズのカビをつければできるんじゃねえか、なんてことでバカの発想から始まったんですよ。

乾燥・熟成中の貴腐サラミ
(白カビサラミ)
試行錯誤の末になんとか完成にいたったので「貴腐サラミ」と名付けましてね、1999年にヨーロッパにはこんな細いものないはずだからと思いこんでオランダのコンテストに出品したら、金賞をもらってしまった。オレもまんざらじゃないんだなと、これで自信がつきました。
ところが、今回、フランスへ行ってみて、白カビの細く、小さなサラミなんていっぱいあるってことに気がついた。つまり、オレの先生になる国は、ドイツではなくフランスだったんだと、この年齢になってようやくわかったんですよ(笑)。
お問い合わせ先:新潟県佐渡市両津夷182番地1 佐渡連合商工会 電話:0259-27-5128